横浜市で生活介護・就労系を開業するなら、いつまでに何を準備するのか。事前相談の申込から指定までの4段階

生活介護や就労系(就労移行支援、就労継続支援A型・B型など)には、児童発達支援・放課後等デイサービスのような説明会がありません。最初の節目は、市への「事前相談」の申込です。期限は開所を希望する月の4か月前の末日で、横浜市は「4月1日に生活介護事業所の新設を希望する場合、前年の12月31日」という例を示しています(注1)。

この申込は、相談日の予約ではありません。市の電子申請の申込画面には事業計画書などの必要書類を添付する欄があり、添付は必須です(注2)。申込のあとも、面談、指定申請、補正と、段階ごとに準備するものが変わります。横浜市の公表資料から整理します。

※この記事は、2026年10月19日時点で公表されている横浜市の資料と、同日の横浜市への電話での確認をもとに、手続きの流れと時期を当事務所が独自に整理したものです。掲載した日程は参考情報で、申請の期限や手続きを保証するものではありません。実際に準備するときは、横浜市の最新の案内を確認し、担当窓口に問い合わせてください。

この記事の要点

  • 手続きは「事前相談の申込」「事前面談と補正」「指定申請」「補正と本審査」の4段階。指定は毎月1日付
  • 申込の時点で、事業計画書・サビ管の証明書類・平面図・1年間の収支見込表などを書類で出す
  • 指定申請は希望月の前々月15日から末日まで(郵送必着)。物件の契約書や設備の写真が必要になる
  • 補正は前月15日まで。要件を満たさなければ、翌月1日付の指定は受けられない

4つの段階と、二つの窓口

この記事で扱うのは、生活介護、自立訓練、就労移行支援、就労継続支援A型・B型です。就労定着支援と就労選択支援も同じ事前相談の対象ですが、書類や期限が一部異なるため扱いません。

段階時期窓口
① 事前相談の申込開所希望月の4か月前の末日まで障害施設サービス課
② 事前面談と書類の補正申込から1か月以内をめどに連絡障害施設サービス課
③ 指定申請前々月15日〜前々月末(郵送必着)障害施策推進課
④ 補正と本審査補正は前月15日まで、そこから約2週間の本審査障害施策推進課

※当事務所が横浜市の公表資料から整理したもので、市の公式のスケジュール表ではありません。(注1)(注4)

市の案内文は、施設系のサービスは設備や運営基準の事前確認が必要なため、来庁してもらってヒアリングを行い、そのために事前申込を4か月前の末日までに求めていると説明しています(注4)。

事前相談の申込:事業の計画を、書類で示す

申込の画面では、法人や事業所の名称、サービスの種類と定員、指定を希望する月、建物の状況などを入力し、「事業計画書等、必要書類」を添付します。留意事項には、事前相談は法人の担当者自身が人員・設備・運営の基準を確認、理解し、所定の書類を作成したうえで行うものだ、という趣旨が書かれています(注2)。

市の「提出書類について」は、書類ごとに「事前相談で確認する内容」を書いています。新設で求められる書類は、確かめる内容で大きく四つに分かれます(注3)。

  • 事業の中身:事業計画書(目的、この場所で開く理由と地域の需要、対象者と支援方針、プログラム、スケジュール、関係機関)と、個別支援計画の作成から記録までの様式
  • 人:サービス管理責任者の実務経験証明書と研修修了証の写し、勤務体制の一覧表。新設の場合、人員配置を確かめるときの利用者数は定員の9割で見込む
  • 場所:平面図とレイアウト。訓練・作業室は定員1人当たり最低3㎡。建築基準法・消防法などの確認状況を書く「関係法令確認書」
  • 続けていけるか:開所月から1年間の「事業所運営に係る収支見込表」。生産活動を行う場合は、その収支見込表と工賃規程

事業計画書の確認事項には、業務継続計画(BCP)を開所までに作成しない場合は減算が発生する、という注意書きもあります(注3)。

申込の時点で「特定」しておくものと、「見通し」でよいもの

市の資料は、それぞれの時点で何が確定している必要があるかを明記していません。以下は、求められる書類の内容から当事務所が整理したものです。

人と場所は、具体的に特定されている必要があると読めます。サビ管の証明書類を出す以上、勤務を予定する人が決まっていなければならず、平面図を書くには使う建物と部屋が決まっている必要があるからです。一方で、物件の賃貸借契約書は申込の書類には含まれておらず、指定申請の書類として求められています(注6)。申込の時点で契約まで済んでいることは求められていない、と読めます。

利用者数と収支は、根拠のある見通しが求められます。収支見込表の様式は、利用者の集め方や、現時点で利用が見込まれる人の数などをもとに、利用者の推移の根拠を説明するよう求めています。記載例は、給付費をサービス提供月から2か月遅れで計上するよう示しています(注5)。

ただし、資金は見通しだけでは足りません。市は「指定後1年間の収支が黒字でないと開所できないわけではありません」としつつ、赤字の月がある場合は、それに耐えられる自己資本があるかを確かめるため、決算書や法人代表者の通帳の写しなどの補足資料を求めています(注3)。申込の時点でどこまでの完成度が求められるかは、公表資料からはわかりません。

事前面談:計画を、運営する法人が自分で説明する

申込から1か月以内をめどに担当者から連絡があり、来庁しての対面相談、メールや電話での相談と書類の補正を経て、事前相談が終わります。来庁時は、管理者とサビ管として勤務する予定の人が同席します。代理人やアドバイザーがいる場合でも、事業計画の説明は事業所を運営する法人の担当者が行います(注1)。

市は、書類の不足や期限の超過のほか、「対面等での相談が滞った場合」も希望月に沿えない可能性があるとしています(注1)。指定申請は事前面談が終わってから行うので(注4)、面談や補正が長引けば、そのぶん指定申請も遅れます。

指定申請:申込では「計画」だったものが「実物」になる

指定申請の書類は、指定を希望する月の前々月15日から前々月末までに障害施策推進課へ郵送します(郵送必着)(注1)(注4)。2027年4月1日の指定なら前々月末は2月28日(日)で、電話で確認したところ、この場合の期限は2月26日(金)必着に前倒しになるとのことでした。面談の予約は月の中旬までに連絡するよう案内もありましたが、どの面談の、いつまでの期限かは確認できていません(注7)。

物件は、申込では平面図とレイアウトでしたが、指定申請では法人名義の賃貸借契約書の写しと、外観、表札、各部屋、鍵付きの書庫、消防設備の写真が求められます。管理者・サビ管の経歴書、協力医療機関との契約内容、損害賠償責任保険の証書の写し、履歴事項全部証明書なども出します。事業計画書と収支予算書は、日中活動系では「事前面談時に作成したもの」を出すとされています(注6)。

補正と本審査:前月15日までに要件を満たす

修正や不足はメールで知らされ、指定予定日の前月15日(土日祝の場合はその前の営業日)までに再提出します。案内文は、15日までに要件が満たされない場合は受理できず、翌月1日付の指定は受けられないとしています。そのあと約2週間の本審査を経て、指定書が郵送されます(注4)。市はこの流れを目安とし、書類の不備や設備の状況などで希望日の指定を見送る場合があるとしています(注4)。

締切は毎月来ます。たとえば2027年7月に開く場合、事前相談の申込期限は2027年3月31日です。開きたい月から4つの段階をさかのぼり、次の3点を確かめておきます。

  • 4か月前の末日に、サビ管の予定者と物件を特定し、1年間の収支の見込みを根拠とともに書類にできるか
  • 指定申請(前々月15日〜末日、郵送必着)までに、物件の契約と設備を整えられるか。面談の予約の時期も確かめる
  • 市のページ、案内文、提出書類の様式が最新のものか

横浜市で生活介護・就労系の開設を検討している方へ

開所したい月から逆算して、事前相談の申込までに用意する事業計画書・収支見込表と、物件・サビ管の段取りを一緒に整理します。

出典

  1. 横浜市健康福祉局「日中活動系サービス」(2026年9月29日更新)。事前相談の期限・流れ、来庁時の留意事項
  2. 横浜市電子申請・届出システム「障害福祉サービス事業所新規指定・指定内容の変更に関する事前相談申し込み」(2026年10月19日確認)
  3. 横浜市健康福祉局「事前相談に係る資料(202604時点)」のうち「提出書類について」「事業計画書」
  4. 横浜市健康福祉局障害施策推進課「指定障害福祉サービス事業者の新規指定申請について【施設系】」(2025年8月27日)(障害福祉情報サービスかながわ「書式ライブラリ」)
  5. 横浜市健康福祉局「事前相談に係る資料(202604時点)」のうち様式6「事業所運営に係る収支見込表」と記載例
  6. 横浜市「指定障害福祉サービス別 事業者指定申請必要書類一覧」(令和8年9月指定から、2026年7月3日掲載)
  7. 横浜市健康福祉局への電話による確認(2026年10月19日、筆者)。提出期間と郵送必着、2027年4月1日指定の場合の期限(2月26日必着)、面談の予約の連絡時期

更新日:2026年10月23日 執筆:行政書士 大塚栄一