「うちには大した財産もないから、遺言なんて関係ない」。
そう考えている方は少なくないはずです。けれど、家庭裁判所の統計を見ると、実態は少し違います。
この記事のポイント
- 家庭裁判所で分割が決まった事件の約35%は、遺産が1,000万円以下
- 5,000万円以下まで含めると、約78%
- 額が小さくても、自宅のように分けにくい財産があると、話し合いは難しくなりやすい
分割が決まった事件の約35%は、1,000万円以下
裁判所は、遺産分割事件の結果を、遺産の額ごとに公表しています(司法統計年報 家事編 第52表)。
2025年に認容・調停成立した遺産分割事件(「分割をしない」を除く)8,321件のうち、遺産が1,000万円以下だったのは2,938件。全体の約35%です。
5,000万円以下まで含めると6,457件、約78%になります。
家庭裁判所で分割が決まった事件の多くは、「大きな財産」をめぐるものではありません。
分けにくいものがあると、話し合いは難しくなる
現金なら、人数で割れば分けられます。
自宅はそうはいきません。誰か一人が取得すれば、ほかの相続人とは現金などで調整する必要があります。
財産の額が小さい家庭ほど、自宅が財産全体に占める割合は大きくなりがちです。そこで話し合いが難しくなります。
自宅がある家庭では、遺言が話し合いを助ける
「家は誰に」を遺言で決めておけば、話し合いの出発点がはっきりします。
あなたの家族の財産は、現金だけでしょうか。それとも、簡単には分けられないものを含んでいるでしょうか。
更新日:2026年10月15日 執筆:行政書士 大塚栄一

