個別支援計画を作る前にサービス提供してしまう、意外と多い落とし穴

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実務の急所5分解説
新規利用者の受け入れが決まると、まずサービス提供を始めてから個別支援計画を整える、という順番になっている事業所は少なくありません。行政資料を確認すると、この「後から計画を整える」という進め方には、見落としやすいリスクがあります。5分で、確認しておきたいポイントを整理します。

個別支援計画は、利用者に対して適切かつ効果的なサービスを提供する上で基本となるものです。作成されていない場合、または作成に係る一連の業務(アセスメント、会議、説明・同意等)が適切に行われていない場合には、個別支援計画未作成減算の対象となります。

「利用開始月内に作成すれば減算を回避できる」という理解にとどまっていると、行政資料が示す原則との間にズレが生じることがあります。

横浜市・明石市・長野県の資料をもとに、見落としやすいポイントと、減算の重さを整理します。

個別支援計画未作成減算の対象となる主なケース

区分 内容
サービス管理責任者による指揮 指揮の下で作成されていない場合、減算対象
作成に係る一連の業務 アセスメント・会議・説明・同意等が適切に行われていない場合、減算対象
見直し(モニタリング) 定められた期間内(少なくとも6か月・就労移行支援等は3か月に1回)に見直しが行われていない場合、減算対象
新規利用者の作成時期 利用開始月に作成されていない場合、減算対象(横浜市資料)

実務上のポイント① 「利用開始月内に作ればセーフ」ではない

横浜市の資料では、新規利用者の個別支援計画が利用開始月に作成されていないことが、個別支援計画未作成等減算の対象条件として挙げられており、あわせて「新規利用の場合、原則、利用開始日までに個別支援計画が作成されていることが望ましい」とも記載されています。

同じ横浜市の別の資料では、より踏み込んで「本来は利用開始日時点で、個別支援計画の策定及び本人からの同意が必要」と説明されています。「月内に作成すれば減算は避けられる」というのは、あくまで減算適用の基準線であり、本来の原則は利用開始日時点での完成です。

実務上のポイント② 起点は「利用開始日」だけとは限らない

横浜市の別の資料では、「契約締結後1か月以内」という整理も示されています。利用開始日を起点にした期限だけを意識していると、契約締結から利用開始までに間が空いたケースなどで、こちらの期限を見落とすことがあります。

実務上のポイント③ 数字で見る減算の重さ

実際に減算が適用された事例(明石市)では、初回利用日から1か月を超えても計画が策定されていなかった利用者について、個別支援計画未作成減算が適用されています。

長野県の資料では、この減算幅が次のように定められています。

適用時期 算定内容
適用1〜2か月目 基本単位数の70%を算定
3か月目以降 基本単位数の50%を算定

複数自治体資料での確認

横浜市の資料では原則と減算基準のズレが、明石市の指摘事例では実際に適用された運用が、長野県の資料では減算幅の具体的な数字が、それぞれ確認できます(今回確認した自治体資料の範囲です)。

よくある質問

現場でよく確認される質問を整理しました。

Q. 利用開始月のうちに作成すれば、問題ないのでしょうか

「利用開始月内の作成」は、横浜市の資料において減算適用の基準線として示されているものです。一方で同じ横浜市の資料には「本来は利用開始日時点で、計画の策定及び同意が必要」という原則も示されています。基準線を満たすことと、原則を満たすことは別に確認しておく必要があります。

Q. 契約締結日と利用開始日、どちらを起点に期限を考えればよいのでしょうか

横浜市の資料では、利用開始日を起点にした整理と、「契約締結後1か月以内」という整理の両方が示されています。契約締結から利用開始までに間が空くケースもあるため、どちらの起点でも期限内におさまるよう管理しておくことが安全です。

確認しておきたいことチェックリスト

次の項目を、貴事業所の運用状況に照らして確認してください。

  1. サービス提供開始前の計画整備
    新規利用者について、サービス提供開始前に個別支援計画の原案作成・会議・同意までを終える運用になっているか
  2. 利用開始月内の認識
    「利用開始月内」を実質的な期限だと捉えていないか
  3. 契約締結日起点の期限
    契約締結日を起点にした期限(横浜市の資料に示された「契約締結後1か月以内」という整理)も別途意識できているか
  4. 不定期利用者への対応
    不定期に利用する利用者について、同意が得られないまま計画未整備の状態でサービス提供・請求を行っていないか
  5. 見直し(モニタリング)の実施
    定められた期間内(少なくとも6か月・就労移行支援等は3か月に1回)に見直しが行われているか

まとめ

個別支援計画未作成減算は、「利用開始月内に作成されていない場合の減算適用基準」と、「利用開始日時点で計画・同意を終えておくことが望ましい」という運用上の原則の両方を理解しておく必要があります。

横浜市の資料では原則と減算基準のズレが、明石市の指摘事例では実際に適用された運用が、長野県の資料では減算幅の具体的な数字が、それぞれ確認できます(今回確認した自治体資料の範囲です)。

新規利用者の受け入れでは、この二つを混同せず運用できているかが重要な確認ポイントになります。

個別支援計画の作成・運用、体制は整っていますか?

個別支援計画の作成タイミングや減算リスクの確認について、ご不明な点がありましたらお気軽にご相談ください。

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