人員配置基準は、指定申請のときに一度満たせばそれで終わりではありません。毎月、実際の勤務実績で基準を満たしているかどうかを確認し続ける必要があります。
実地指導では、常勤換算の計算方法や「配置している」の定義について、思い込みと実際の運用がずれているケースが繰り返し指摘されています。
本記事では、横浜市・愛知県の運営指導資料をもとに、5分で確認できる実務ポイントを整理します。
最初に確認したいポイント
| 項目 | 確認内容 |
|---|---|
| 常勤換算の計算 | 非常勤職員の病休・有給休暇による欠勤日数を、常勤換算に算入していないか |
| 配置対象者の範囲 | 法人役員・兼務職員・派遣職員の扱いを正しく区分できているか |
| 勤務実態の記録 | 出勤簿・タイムカード等で出退勤時刻を客観的に記録しているか |
| 報酬請求との連動 | 人員欠如が生じた月に、減算コードへ正しく切り替えているか |
制度概要(人員欠如減算とは)
指定基準に定める人員を満たしていない状態になると、人員欠如減算の対象となります。
人員欠如減算は基本報酬が最大5割減となり、しかもその月にサービスを利用した利用者全員に対して適用される、影響の大きい減算です。
「配置しているつもり」であっても、常勤換算の計算方法や配置対象者の範囲を誤っていれば、結果として基準を割り込んでいると判断されることがあります。
実務ポイント:配置対象者の考え方
人員配置の対象となるのは、法人・事業所の指揮命令系統に含まれている者です。労働契約を結んでいる者や労働者派遣として働く者はこれに該当します。
一方で、ボランティア、請負契約で働く者、施設外就労・支援先の企業職員などは対象外とされています。
- 法人役員を配置に含める場合:出勤簿・タイムカード等で勤務実態を記録する
- 兼務職員がいる場合:就業場所・勤務時間が分かる記録を残す
- 多機能型事業所の場合:サービスごとの兼務関係を明確にする
横浜市の運営指導事例では、従たる事業所(サテライト型)に常勤職員が1人も配置されていなかったケースも報告されています。
注意点・誤解しやすい点
次のような誤解が、実地指導で繰り返し指摘されています。
- 非常勤職員が在籍していれば常勤換算を満たしていると考えてしまう
- 法人役員は「職員」ではないため記録は不要だと考えてしまう
- 押印だけの出勤簿でも勤務実態の記録として十分だと考えてしまう
- 人員欠如に気づいた時点で改善すれば、過去の請求は問題ないと考えてしまう
いずれも、「配置している」という認識と、基準が求める記録・計算方法にずれが生じるパターンです。
必要書類・対応事項
人員配置基準を満たしていることを説明できる状態にしておくには、次の書類の整備が欠かせません。
自治体によって呼び方は異なりますが、求められている考え方は共通しています。
①勤務実態を示す書類
出勤簿・タイムカード等により、全職員(役員・兼務職員を含む)の出退勤時刻を客観的に記録します。
押印のみの出勤簿では勤務時間が確認できず、記録不備がそのまま人員欠如の疑いにつながります。
②毎月の確認を裏付ける書類
横浜市の資料では常勤換算上の職員数の毎月確認が、愛知県の資料では勤務形態一覧表等による確認が、それぞれ求められています。
自治体が違っても、勤務形態一覧表などを毎月整備し、人員基準を満たしていることを確認できる状態にしておくことが求められている点は共通しています。
確認チェックリスト
次の項目を、毎月または職員異動のタイミングで確認してください。
-
常勤換算の再計算
非常勤職員の病休・有給休暇等の欠勤を、常勤換算の計算から正しく除外しているか -
異動時の再確認
職員の異動(退職・病休・産育休等)が発生した月に、常勤換算数を再確認しているか -
勤務実態の記録
出勤簿・タイムカード等で、全職員(役員・兼務職員を含む)の出退勤時刻を客観的に記録しているか -
記録方法の確認
押印のみで勤務時間が確認できない出勤簿になっていないか -
拠点ごとの配置確認
従たる事業所(サテライト型)を含め、各拠点に必要な常勤職員が実際に配置されているか
まとめ
人員配置基準は、指定申請時の一度きりの確認ではなく、毎月続く確認作業です。
非常勤職員の欠勤の扱いと、「配置している」と認められる範囲の2点を押さえるだけで、人員欠如減算のリスクは大きく下がります。
常勤換算や勤務記録は、毎月確認できる仕組みを整えておくことが重要です。
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