処遇改善加算、「規程を整えただけ」で終わっていませんか|運営指導で見られる二つの盲点

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実務の急所5分解説
処遇改善加算、「規程を整えただけ」で終わっていませんか。運営指導で見られる二つの盲点を5分で整理します。

処遇改善加算は、福祉・介護職員の賃金改善を目的とした加算で、多くの事業所がキャリアパス要件の整備に力を入れています。規程を整え、計画書を届け出た。それで終わりと思っていないでしょうか。

愛知県と大津市の指導資料を見ると、運営指導ではその先の「実際の運用」まで確認されています。規程を作ったこと自体は評価される一方で、運用や記録が伴っていないケースが指摘され続けています。

最初に確認したいポイント

確認項目 確認内容
処遇改善計画書 全ての従業者へ周知したうえで、県へ届け出ているか
キャリアパス要件Ⅰ・Ⅲ 任用要件・賃金体系、昇給の仕組みに係る規程を、全ての福祉・介護職員に周知しているか
キャリアパス要件Ⅱ 計画策定・研修の実施等の取組を行い、記録を残しているか
月額賃金改善要件 キャリアパス要件Ⅳとあわせ、実際に賃金改善を行っているか
職場環境等要件 取組内容を情報公表システム等で公表しているか

実務ポイント:見落としやすい2つの盲点

盲点 実務内容
盲点1:キャリアパス要件は整えても、月額賃金改善要件を満たしていない 処遇改善加算では、「制度を整備する要件」と「実際に賃金を改善する要件」の両方が求められる。愛知県の指導改善指示事項一覧は「キャリアパス要件Ⅳ、月額賃金改善要件に定められた賃金改善を行う必要があることに留意すること」と指摘。規程を定めて周知するだけの要件と、賃金改善という結果を伴わせる要件が混在している点に注意が必要。
盲点2:職場環境等要件は「取り組んでいる」だけでは足りない 愛知県の資料は「職場環境等要件について、取組内容を情報公表システム等で公表すること」と指摘。加えて大津市の資料は「処遇改善計画書を全ての従業者に周知する必要があるため、周知徹底を図ること。また、いつ周知したかがわかる記録、周知文書を保管すること」と、周知の記録まで求めている。

「公表」と「記録」、やったつもりで終わりやすいポイント

職場環境等要件は、取組を実施していても情報公表システムで公表するという手続きまで完了していなければ、要件を満たしたことにはなりません。また、処遇改善計画書を作成し、県に届け出た事実だけでは足りず、いつ・誰に・どのように周知したかを記録として残しておく必要があります。取組内容の「公表」と、周知の「記録」。どちらも、やったつもりで終わりやすいポイントです。

実務チェックリスト

次の6点を確認してください。

  1. 計画書の周知・届出
    処遇改善計画書を作成し、全ての従業者へ周知し、県へ届け出ているか
  2. キャリアパス要件Ⅰ・Ⅲの周知
    任用要件・賃金体系、昇給の仕組みに係る規程を、全ての福祉・介護職員に周知しているか
  3. キャリアパス要件Ⅱの記録
    計画策定・研修の実施等の取組を実施し、記録を残しているか
  4. 賃金改善の実施
    キャリアパス要件Ⅳ・月額賃金改善要件に定められた賃金改善を、実際に行っているか
  5. 職場環境等要件の公表
    職場環境等要件の取組内容を、情報公表システム等で公表しているか
  6. 周知記録の保管
    処遇改善計画書をいつ・誰に周知したかがわかる記録・周知文書を保管しているか

まとめ

処遇改善加算は、規程を整備して周知するだけの要件と、実際の賃金改善・公表・記録という結果を伴わせる必要がある要件が混在しています。「整えただけ」で終わっていないか、まず自事業所のチェックリストを確認することをおすすめします。

本記事は、愛知県「主な指導改善指示事項一覧【全サービス共通】」、大津市「指導監査の結果/運営指導における主な指摘事項」をもとに作成しています。今回収集した自治体資料で確認できた指摘事例に基づくものであり、全国的な傾向を示すものではありません。

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