障害福祉事業の開業準備は、物件、人、お金、自治体との相談を並行して進めます。どれか一つが遅れると、開所の月がずれ、そのあいだの家賃や人件費が持ち出しになります。
このページは、開業までにやることを7つの段階に分けたチェックリストです。各段階の詳しい説明は、それぞれの記事にまとめています。
この記事の要点
- 準備は「構想 → 資金 → 物件 → 人 → 法人 → 事前相談・指定申請 → 開所準備」の順に考え、物件・人・資金は並行して進める
- 横浜市の日中活動系サービスは、事前相談の申込期限が開所希望月の4か月前の末日。物件・人・資金のめどは、その前に立てておく
- 物件の契約と職員の採用は、自治体への事前確認と並行して進め、指定の見通しを見ながら確定する
- 指定を受けたあとも、届出と運営指導への対応が続く
時期の目安(横浜市の日中活動系で、7月1日に開所する場合)
| 時期 | やること |
|---|---|
| 前年の秋〜冬 | サービスと対象の決定、地域の需要の確認、収支の見込み、資金の手当て |
| 〜3月 | 物件の候補と基準の確認、サービス管理責任者の候補の確保、法人と定款の確認 |
| 3月31日 | 事前相談の申込期限(開所希望月の4か月前の末日) |
| 4月〜 | 事前相談(管理者・サービス管理責任者が同席)、物件・採用条件の最終調整、指定申請書類の準備 |
| 指定前 | 指定申請(郵送必着)、補正、審査 |
| 7月1日 | 指定・開所 |
(注1)
事前相談の申込の段階で、事業計画書、物件の平面図、収支の見込みなどを出します。表は日中活動系サービスの例です。放課後等デイサービスや児童発達支援は、説明会への参加から始まり、日程が違います。
1 構想:どのサービスで、誰を支えるか
- 始めるサービスと、受け入れる利用者(障害の種類・程度、年齢)を決めた
- 開業する地域に、そのサービスを必要とする人がいるかを確かめた
- 総量規制の有無と、新規指定の報酬の扱いを確かめた
詳しくは:障害福祉サービスの種類一覧と選び方、「総量規制で開業できなくなる」は本当か、新規開業だと報酬が下がるのか
2 資金:いちばん苦しい月を越えられるか
- 初期費用(物件・内装・設備・採用)を見積もった
- 給付費が入るまでの運転資金を、手元のお金がいちばん少なくなる月から考えた
- 利用率と人件費率を、根拠をもって置いた
詳しくは:開業資金はいくら必要?、黒字の事業所と赤字の事業所は、何が違うのか
3 物件:契約の前に、3つの関門を確かめる
- 平面図と、建築確認済証・検査済証を受け取った
- サービスの基準(部屋・広さ・立地)を満たすことを確かめた
- 建築基準法(用途の変更)と消防法で必要な対応を、建築士・消防署に確かめた
- 工事が必要なら、費用・期間・負担を契約前に貸主と決めた
詳しくは:「いい物件が見つかれば、あとは契約するだけ」は本当か、障害福祉事業の物件選び
4 人:基準を満たす職員をそろえる
- 定員から、必要な職種と人数を常勤換算で計算した
- 管理者とサービス管理責任者(児童発達支援管理責任者)の候補を決め、実務経験証明書と研修の修了証で要件を確かめた
- 支援員などの募集を、開所の時期から逆算して始めた
詳しくは:人員基準とは、サービス管理責任者(サビ管)が見つからない時の考え方
5 法人:申請者になる法人を整える
- 申請者になる法人がある(ない場合は設立の時期を決めた)
- 定款の事業目的に、始めるサービスが入っている
- A型を始める場合、社会福祉法人以外なら、社会福祉事業だけを行う法人である
6 事前相談と指定申請
- 申請先と担当課を確かめた
- 事前相談の申込期限から逆算した予定を立てた
- 事業計画を、法人の担当者が自分の言葉で説明できる
- 申請書類(運営規程、勤務体制一覧表、平面図、資格証など)をそろえた
詳しくは:指定申請とは
7 開所の準備と、開所後の手続
- 重要事項説明書と契約書を整え、利用者への説明の流れを決めた
- 相談支援事業所や関係機関に、事業所を知ってもらう準備をした
- 加算を取る場合の体制の届出、業務管理体制の届出を確かめた
- 変更の届出、運営指導、6年ごとの指定の更新に対応する体制を考えた
物件の契約や職員の採用は、自治体への事前確認と並行して進めます。ただし、指定の見通しが立つ前に契約を確定すると、開所が遅れた場合に家賃や人件費の負担が生じます。
注と出典
- 横浜市「日中活動系サービス」(2026年9月29日更新)。指定申請の締切日は同ページに記載がないため、事前相談の際に担当課に確認する。障害児通所支援は横浜市「障害児通所支援事業所の新規指定」
更新日:2026年10月19日 執筆:行政書士 大塚栄一


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